Nature ハイライト
神経科学:うまくつながった視覚野ニューロン
Nature 518, 7539
1つのニューロンが他のニューロンの活動に影響を及ぼす度合いは、ニューロンがその相手と作るシナプス結合の強度によって決まっており、その結合強度には2桁以上の差があることが知られている。T Mrsic-Flogelたちは今回、2光子カルシウム画像化法とニューロン対からの同時細胞内記録とを組み合わせて、マウス一次視覚野(V1)の第2/3層のニューロンの結合強度が、単純なルールに従っていることを示した。ごく少数の強い結合は、視覚刺激に対して相関した応答を示すニューロンの間で見られるのに対し、相関のない応答を示すニューロン間に見られるのは弱い結合のみであった。こうした機能的な結合強度の偏りが、V1の下流領域での視覚特徴に対するニューロンの選択性の計算に使われているのかもしれない。
2015年2月19日号の Nature ハイライト
進化学:ダーウィンフィンチ類のくちばしの進化遺伝学
分子生物学:メディエーターによる転写活性化機構
宇宙物理学:古典新星におけるリチウム生成
化学:結合形成をフェムト秒分解能で可視化する
気候科学:沿岸湧昇に対する気候変動の影響
地球物理学:拡大中心における水によって生じるメルト輸送
神経科学:うまくつながった視覚野ニューロン
細胞生物学:幹細胞における選択的な代謝
化学生物学:触媒力を持つ「XNAザイム」
生化学:Qによって温室効果ガスを液体燃料へ