Nature ハイライト
化学生物学:触媒力を持つ「XNAザイム」
Nature 518, 7539
核酸触媒の出現は、地球上での生命誕生にとって非常に重要な出来事だった可能性がある。RNA酵素は現在でも、生命体にとって極めて重要な機能を、特に翻訳やRNAプロセシングといった場面で果たしており、また、さまざまなRNA酵素やDNA酵素がin vitro進化という手法で作られている。今回A Taylorたちは、骨格部分が異なる天然には見られない4種類の核酸化合物(XNA)を使い、触媒作用を持つ一連のポリマー「XNAザイム」を作り出した。2′-フルオロアラビノ核酸が基本となった最も触媒作用の強いXNAザイムを用いて、trans RNAエンドヌクレアーゼ、RNAリガーゼ、XNA–XNAリガーゼが作られた。これらの結果により、天然には存在しない広範囲のポリマー骨格で触媒を発見する方法が確立された。
2015年2月19日号の Nature ハイライト
進化学:ダーウィンフィンチ類のくちばしの進化遺伝学
分子生物学:メディエーターによる転写活性化機構
宇宙物理学:古典新星におけるリチウム生成
化学:結合形成をフェムト秒分解能で可視化する
気候科学:沿岸湧昇に対する気候変動の影響
地球物理学:拡大中心における水によって生じるメルト輸送
神経科学:うまくつながった視覚野ニューロン
細胞生物学:幹細胞における選択的な代謝
化学生物学:触媒力を持つ「XNAザイム」
生化学:Qによって温室効果ガスを液体燃料へ