Nature ハイライト
地球物理学:拡大中心における水によって生じるメルト輸送
Nature 518, 7539
地球上の火成活動の95%以上は、海洋拡大中心と火山弧の下で生成されるメルトによって占められている。今回、マントルから地表へのメルト輸送の容易さの調節に、水が重要な役割を果たしている可能性が示された。トンガ海溝の西にあるラウ背弧海盆の拡大中心で得られた新しいトモグラフィー画像から、ラウ海盆下における地震波速度の三次元分布が明らかになった。著者たちは、現在活動している拡大中心が存在しない部分のマントルウェッジの地震波速度が予想外に低いことを報告している。これは、メルト含有量が多いことを示していると解釈される。この地震波速度の低下は、マグマ生成量の増加と対照的に、南に向かうにつれて弱まっている。今回の知見は、メルト抽出効率の変化が、分別溶融の増大とマグマの水含有量の増加の結果で、メルトの粘性がより低くなったために抽出効率がより高くなったことを示唆している。
2015年2月19日号の Nature ハイライト
進化学:ダーウィンフィンチ類のくちばしの進化遺伝学
分子生物学:メディエーターによる転写活性化機構
宇宙物理学:古典新星におけるリチウム生成
化学:結合形成をフェムト秒分解能で可視化する
気候科学:沿岸湧昇に対する気候変動の影響
地球物理学:拡大中心における水によって生じるメルト輸送
神経科学:うまくつながった視覚野ニューロン
細胞生物学:幹細胞における選択的な代謝
化学生物学:触媒力を持つ「XNAザイム」
生化学:Qによって温室効果ガスを液体燃料へ