Nature ハイライト
気候科学:沿岸湧昇に対する気候変動の影響
Nature 518, 7539
沿岸湧昇は、健全な海洋生態系を維持する栄養分を世界の海洋の東縁に沿って供給している。湧昇は、一部の沿岸流で強まっていることが過去の記録の解析結果から示唆されているが、気候が温暖していく中で、湧昇の将来の変化予測について一致した見解はない。今回D Wangたちは、広範囲にわたる一連の協調的気候モデル実験の結果であるCMIP5モデルのアーカイブから22の地球システムモデルのシミュレーション結果を解析した。それによると、高緯度域では21世紀末までに、大西洋と太平洋の東縁付近での湧昇期は早く始まって遅く終わるようになり、湧昇が強まるため、均一化が一層進むと予想される。こうした変化は、海洋生物の多様性の地理的分布に影響を与える可能性がある。
2015年2月19日号の Nature ハイライト
進化学:ダーウィンフィンチ類のくちばしの進化遺伝学
分子生物学:メディエーターによる転写活性化機構
宇宙物理学:古典新星におけるリチウム生成
化学:結合形成をフェムト秒分解能で可視化する
気候科学:沿岸湧昇に対する気候変動の影響
地球物理学:拡大中心における水によって生じるメルト輸送
神経科学:うまくつながった視覚野ニューロン
細胞生物学:幹細胞における選択的な代謝
化学生物学:触媒力を持つ「XNAザイム」
生化学:Qによって温室効果ガスを液体燃料へ