Nature ハイライト
分子生物学:複製に関連したゲノム変化
Nature 518, 7540
変異がゲノム上で非無作為に分布する機序は明らかではない。今回、A Jacksonたちは、岡崎フラグメント(複製中にDNAのラギング鎖上で合成される短いDNA断片)の5′端でヌクレオチド置換のレベルが上昇することを報告している。ポリメラーゼ活性を追跡する新たに開発された方法(emRiboSeqと呼ばれる)を用いて、彼らは岡崎フラグメントのプロセシングにもかかわらず、誤りがちなポリメラーゼα(Pol-α)により合成されたDNAがin vivoでも残り、ゲノムの約1.5%を占めることを示した。これらの結果から、Pol-αがゲノム多様性の重要な原因であることが明らかとなり、ヌクレオチド置換頻度の部位特異的差異につながる機序が示された。従って、調節エレメントが変異のホットスポットになるのは、クロマチンと調節タンパク質の結合のコストとして変異が起こりやすくなるためである。
2015年2月26日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:膵臓がんと関連する複数の変異
分子生物学:複製に関連したゲノム変化
免疫学:V(D)Jリコンビナーゼの構造
宇宙論:超高光度クエーサーが照らす宇宙再電離時代
量子物理学:1個の光子の2つの状態の量子テレポーテーション
惑星科学:火星の謎のプルーム
進化学:脊椎動物に頭ができるまで
幹細胞:in vivoでの造血を追跡する
分子生物学:N6-メチルアデノシンはRNAとタンパク質の相互作用を変化させる