Nature ハイライト

分子生物学:N6-メチルアデノシンはRNAとタンパク質の相互作用を変化させる

Nature 518, 7540

N6-メチルアデノシン(m6A)は、多くの真核生物のmRNAや長鎖非コードRNAなどによく見られる内部修飾である。m6Aは、概日リズム、減数分裂、幹細胞の発生など、細胞のさまざまな機能の制御に関わっている。今回、m6AがRNAとタンパク質の相互作用を調節するという、これまで知られていなかった仕組みが明らかになった。T Panたちは、RNA中にあってRNA結合タンパク質(RBP)を対象とする多数の結合モチーフは通常、三次元構造をとった領域中に埋もれていることを明らかにしている。m6A修飾はこのような領域を再編成するスイッチとして働き、構造変化を誘発して結合モチーフを露出させ、RBPの結合を促進する。この知見は、m6AがRNA構造の改造装置として働いて、例えば転写後調節因子の結合活性に関わり、mRNAの成熟に影響を及ぼすことを示している。

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