Nature ハイライト
免疫学:V(D)Jリコンビナーゼの構造
Nature 518, 7540
脊椎動物の免疫系では、レパートリーが限られている遺伝子コードセグメントから免疫グロブリンやT細胞受容体をコードする一連の異なる遺伝子を作り出すのにV(D)J組換えが使われている。この組換え過程は切断複合体RAG1–RAG2により開始される。W Yangたちは今回、ヘテロ四量体であるRAG1–RAG2リコンビナーゼの結晶構造を3.2 Åの分解能で明らかにした。複合体はY字型の構造をとっていて、腕に当たる2つの部分がそれぞれ、RAG1–RAG2ヘテロ二量体を含んでいる。全体的な構造はヘアピン形成トランスポザーゼと似ており、この酵素が特殊な型のトランスポザーゼとして進化してきたことを立証している。この構造は、V(D)J組換え機構や疾病を引き起こす多数の変異の基盤に関する手掛かりを与えてくれる。
2015年2月26日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:膵臓がんと関連する複数の変異
分子生物学:複製に関連したゲノム変化
免疫学:V(D)Jリコンビナーゼの構造
宇宙論:超高光度クエーサーが照らす宇宙再電離時代
量子物理学:1個の光子の2つの状態の量子テレポーテーション
惑星科学:火星の謎のプルーム
進化学:脊椎動物に頭ができるまで
幹細胞:in vivoでの造血を追跡する
分子生物学:N6-メチルアデノシンはRNAとタンパク質の相互作用を変化させる