Nature ハイライト
惑星科学:火星の謎のプルーム
Nature 518, 7540
火星を観測していたアマチュア天文家が、2012年3月と4月の2回にわたって、何らかの噴出のように見えるものを記録していた。火星のディスクから出たこの噴出らしき突出物はいずれも、10時間程度で形成され、1週間以上にわたって続いた。A Sánchez-Lavegaたちは今回、これらの観測結果を詳細に分析し、これまで火星で見つかった中で最も高い高度に達する、このプルーム様構造について記述している。それは、高度250 km(今までに100 kmよりも高い高度に到達したプルームはない)に達し、南北方向と東西方向に500 km以上広がっていた。この謎のプルームの説明として、CO2の氷雲やH2Oの氷雲、もしくはオーロラ発光と同類の現象などが考えられている。しかし、火星の大気ダイナミクスやプルーム形成に関する現在の理解では、このような巨大なプルームの発生を説明することはできない。
2015年2月26日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:膵臓がんと関連する複数の変異
分子生物学:複製に関連したゲノム変化
免疫学:V(D)Jリコンビナーゼの構造
宇宙論:超高光度クエーサーが照らす宇宙再電離時代
量子物理学:1個の光子の2つの状態の量子テレポーテーション
惑星科学:火星の謎のプルーム
進化学:脊椎動物に頭ができるまで
幹細胞:in vivoでの造血を追跡する
分子生物学:N6-メチルアデノシンはRNAとタンパク質の相互作用を変化させる