Nature ハイライト

Cover Story:ジェットでなくてカーテン?:土星の衛星であるエンセラダスからの噴出はカーテン状であることが示され、ジェットの存在は「幻」に

Nature 521, 7550

表紙は、カッシーニ探査機が撮影した土星の衛星エンセラダスの画像N1637461416で、噴出した物質がはっきり見えるように、一様なカーテン状の噴出のシミュレーション結果が重ねられている。これらの画像から、エンセラダスの南極域方向に隣接する複数の地溝からなる大きな割れ目が存在することが明らかになった。このような割れ目は、一般には「タイガー・ストライプ(虎の縞)」と呼ばれていて、周囲よりも高温で、観測された水蒸気や氷粒からなるジェットの供給源と考えられている。J Spitaleたちは、カッシーニによって得られた画像と、エンセラダスの南極域から噴出している物質のシミュレーションによって得られたカーテン形状とを比較して、南極でさまざまな時期に起きた噴出について詳細な地図を作った。噴出活動の大部分は幅の広い、カーテン状の噴出として説明され、噴出の多くを別々のジェットと解釈した以前の説明はおそらく間違いだと思われる。合成されたカーテン中に見える「実体のない」ジェットの位置は、カッシーニ画像中の明るさの増している領域とほぼ一致している。

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