Nature ハイライト
がん:変異率の違いを生む主な要因はDNA修復にあった
Nature 521, 7550
異なるがんではヒトゲノム全域における体細胞変異率に変動が見られる。今回F SupekとB Lehnerは、DNAミスマッチ修復(MMR)の変動性が、ヒトゲノム全域における変異率の特徴的な局所的変動の基盤であることを652の腫瘍の比較ゲノム解析から明らかにした。局所的な常染色体の変異率は、複製タイミングや遺伝子発現における変化に関連した差が見られるものの細胞タイプ間でおおむね安定的であった。一方で、MMRが不活性化された腫瘍では局所的な変異密度の変動が減少していた。従って、ヒトゲノム全域における大規模な局所的変異率の変動の主な原因は、変異の供給の違いではなくDNA修復の違いであると考えられる。
2015年5月7日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:オルガノイドを基盤とする、進化中の腫瘍のモデル
構造生物学:光で駆動されるNa+ポンプであるKR2の構造
天文学:若い銀河のクランプ形成
電子工学:金属酸化膜メモリスターに基づく神経形態学的ネットワーク
海洋学:海峡内の内部波実験(IWISE)によって捉えられた海洋中央部の内部波
古生物学:手首を使って飛び立つ恐竜
農業生態学:ネオニコチノイド系殺虫剤に対するハナバチの応答をテスト
がん:変異率の違いを生む主な要因はDNA修復にあった
免疫学:オキサリプラチンに対する腫瘍抵抗性
免疫学:IgG抗体による腫瘍拒絶