Nature ハイライト

がんゲノミクス:オルガノイドを基盤とする、進化中の腫瘍のモデル

Nature 521, 7550

今回H Cleversたちは、CRISPR/Cas9系の正確なゲノム編集機能を用いて、小腸細胞あるいは結腸細胞で形成されたヒト培養オルガノイドに、大腸がんで最もよく見られる4つの変異を導入した。このin vitro大腸がんプログレッションモデルでは、APCP53KRASおよびSMAD4の発がん性変異により、幹細胞ニッチ因子への依存性が失われ、正常なオルガノイドがテューモロイド(tumoroid;類腫瘍)に変換し、マウスへの異種移植により腺がんとして増殖する。この系は、将来的にヒトがんの生物学的性質の研究や新しい治療手法の開発に非常に有益なものとなるだろう。

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