Nature ハイライト
がんゲノミクス:オルガノイドを基盤とする、進化中の腫瘍のモデル
Nature 521, 7550
今回H Cleversたちは、CRISPR/Cas9系の正確なゲノム編集機能を用いて、小腸細胞あるいは結腸細胞で形成されたヒト培養オルガノイドに、大腸がんで最もよく見られる4つの変異を導入した。このin vitro大腸がんプログレッションモデルでは、APC、P53、KRASおよびSMAD4の発がん性変異により、幹細胞ニッチ因子への依存性が失われ、正常なオルガノイドがテューモロイド(tumoroid;類腫瘍)に変換し、マウスへの異種移植により腺がんとして増殖する。この系は、将来的にヒトがんの生物学的性質の研究や新しい治療手法の開発に非常に有益なものとなるだろう。
2015年5月7日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:オルガノイドを基盤とする、進化中の腫瘍のモデル
構造生物学:光で駆動されるNa+ポンプであるKR2の構造
天文学:若い銀河のクランプ形成
電子工学:金属酸化膜メモリスターに基づく神経形態学的ネットワーク
海洋学:海峡内の内部波実験(IWISE)によって捉えられた海洋中央部の内部波
古生物学:手首を使って飛び立つ恐竜
農業生態学:ネオニコチノイド系殺虫剤に対するハナバチの応答をテスト
がん:変異率の違いを生む主な要因はDNA修復にあった
免疫学:オキサリプラチンに対する腫瘍抵抗性
免疫学:IgG抗体による腫瘍拒絶