Nature ハイライト
古生物学:手首を使って飛び立つ恐竜
Nature 521, 7550
最終的に鳥類へとつながった恐竜系統の基部には、スカンソリオプテリクス類と呼ばれる風変わりな恐竜の一群が存在している。この仲間の恐竜は極めて小型で、長い指を持つ場合が多く、復元想像図では通常、樹上生活をするキツネザル様の動物として描かれる。今回X Xuたちは、これまで発見された中でおそらく最も奇妙なスカンソリオプテリクス類について報告している。この小型恐竜は中国の1億6000万年前の堆積層から化石が見つかったもので、Yi qiと命名された。固い繊維状の羽毛が奇妙な取り合わせで生えており、しかも、手首に2本の長い骨性要素が付いているが、このような構造のある恐竜はこれまで見つかっていない。さまざまな四肢類に見られる突起状の骨に似たこの構造は、滑空飛行を担った可能性がある皮膜を支えたものと考えられる。今回の標本にはそうした皮膜の痕跡が保存されている。
2015年5月7日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:オルガノイドを基盤とする、進化中の腫瘍のモデル
構造生物学:光で駆動されるNa+ポンプであるKR2の構造
天文学:若い銀河のクランプ形成
電子工学:金属酸化膜メモリスターに基づく神経形態学的ネットワーク
海洋学:海峡内の内部波実験(IWISE)によって捉えられた海洋中央部の内部波
古生物学:手首を使って飛び立つ恐竜
農業生態学:ネオニコチノイド系殺虫剤に対するハナバチの応答をテスト
がん:変異率の違いを生む主な要因はDNA修復にあった
免疫学:オキサリプラチンに対する腫瘍抵抗性
免疫学:IgG抗体による腫瘍拒絶