Nature ハイライト
構造生物学:GPCR機能の普遍的機構
Nature 524, 7564
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、広範な細胞外シグナルのセンサーとして働く膜タンパク質である。GPCRは、細胞内分子スイッチとして作用するヘテロ三量体Gタンパク質(グアニンヌクレオチド結合タンパク質)を介して機能し、このGPCRによるヘテロ三量体Gタンパク質のアロステリックな活性化がGDPの解離を引き起こす。ヒトのGPCRは約800種類も存在し、これらが作用するGαタンパク質は16種類ある。今回M Babuたちは、Gα活性化を支配する1つの普遍的なアロステリック機構が存在するかどうかを調べ、そうした機構が実際に存在することを明らかにした。さまざまなGPCRが、1つの高度に保存された機構を介してGαタンパク質と相互作用し、これを活性化することが分かったのだ。このことは、GPCR–Gα系がそのアロステリック特性を保持しながら急速に多様化した仕組みの説明になるかもしれない。
2015年8月13日号の Nature ハイライト
構造生物学:GPCR機能の普遍的機構
細胞生物学:肝細胞を新たに作るには
構造生物学:複製準備OKのMCM複合体
宇宙論:宇宙のクモの巣構造の中の巨大円盤
核物理学:検証にかけられたCPT定理
合成:難しい合成を少し簡単に
集団遺伝学:数世代前はネアンデルタール人
細胞生物学:減数分裂をRNAiスクリーニングで調べる
細胞生物学:脂質代謝の肝臓による制御
生化学:新しいタンパク質品質管理機構