Nature ハイライト
宇宙論:宇宙のクモの巣構造の中の巨大円盤
Nature 524, 7564
最近、電波の弱いクエーサーQSO UM287の近傍に大規模で明るい低温ガスのフィラメントが発見され、宇宙のクモの巣の三次元構造を垣間見ることができた。宇宙のクモの巣は、フィラメントのネットワークであり、フィラメント同士が交差する節の部分に銀河がある。今回、QSO UM287の近傍のフィラメントの二次元分光研究が行われ、このフィラメントの最も明るい放射領域は、回転する広がった水素円盤であり、1013太陽質量の暗黒物質ハローの特徴を示す速度プロファイルを持っていることが分かった。その形状から、低温の降着流の存在が強く示唆される。こうした円盤は、宇宙のクモの巣から形成途上の銀河への低温の降着流のモデルによって予測されている。今回得られた構造によって、銀河形成と銀河間物質や銀河周辺の物質とを結び付ける過程の解明に役立つモデルがもたらされる。
2015年8月13日号の Nature ハイライト
構造生物学:GPCR機能の普遍的機構
細胞生物学:肝細胞を新たに作るには
構造生物学:複製準備OKのMCM複合体
宇宙論:宇宙のクモの巣構造の中の巨大円盤
核物理学:検証にかけられたCPT定理
合成:難しい合成を少し簡単に
集団遺伝学:数世代前はネアンデルタール人
細胞生物学:減数分裂をRNAiスクリーニングで調べる
細胞生物学:脂質代謝の肝臓による制御
生化学:新しいタンパク質品質管理機構