Nature ハイライト

構造生物学:複製準備OKのMCM複合体

Nature 524, 7564

真核生物でのDNA複製は、細胞周期のG1期にMCM(minichromosome maintenance)タンパク質からなる六量体リングが複製開始点として知られている部位へと結合することで開始される。こうしてできた複合体は休止状態にとどまり、細胞がS期に入ると複製が開始される。開始にはMCMダブル六量体の活性状態への変換が必要とされる。だが、この複合体の構造は知られていなかった。N Gaoたちは今回、低温電子顕微鏡法を用いて、このダブル六量体複合体を可視化して観察し、2つの六量体が組み合わさっていて、その中央に二本鎖DNAにぴったりと適合するチャネルがあることを見いだした。個々のリングの向きから、2つの六量体間に生じる相対的な動きがDNA複製開始点を変形させ、それによってほどけたDNA二重らせんに他の複製タンパク質が結合できるようになるというモデルが考えられている。

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