Nature ハイライト

細胞生物学:減数分裂をRNAiスクリーニングで調べる

Nature 524, 7564

ヒト卵の減数分裂ではエラーが非常に起こりやすく、そのため妊娠損失や遺伝病を引き起こす可能性がある。どの遺伝子が減数分裂の正確な進行に必要とされるのかを調べることはこれまで難しかった。とりわけ、減数分裂で働く遺伝子のスクリーニングは、技術的に困難であることが示されている。今回、M Schuhたちは、ハイコンテント表現型スクリーニング法について報告し、この方法を用いて、哺乳類の減数分裂を調節する800個近い遺伝子を対象に、初めてRNA干渉スクリーニングを行った。著者たちは、濾胞に包まれたマウス卵母細胞でこれらの遺伝子をそれぞれ抑制した場合の影響を調べた。各卵は、数十の表現型について、発生初期段階から画像化解析によって評価された。スクリーニングの結果、2000個以上の哺乳類卵母細胞の減数分裂進行についての大規模なデータセットが得られ、これによって卵母細胞の異数性を防ぐために必須の多数の遺伝子が新たに明らかになり、異数性の原因についての広域な解析が示された。

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