Nature ハイライト
合成:難しい合成を少し簡単に
Nature 524, 7564
多くの化合物が材料科学から創薬までさまざまな分野で利用されているが、そうした化合物の化学合成では空気中の酸素や水に敏感な化学成分を使っているため、貴重な試薬の多くが完全に消費される前に変質してしまっている。今回S Buchwaldたちは、敏感な化合物の混合物をパラフィンワックスでカプセル化して安定化し、ベンチトップで保管できるようにする方法を報告している。著者たちは、このカプセル化手法を、炭素–フッ素結合、炭素–窒素結合、炭素–炭素結合を形成するパラジウム触媒反応に必要な試薬(触媒、配位子、塩基)を全て封入した使い捨てカプセルで実証した。今回の方法は、さまざまな試薬と触媒に広く適用できるため、多くの合成プロセスが非専門家の実験室でも容易に実施できるようになるだろう。
2015年8月13日号の Nature ハイライト
構造生物学:GPCR機能の普遍的機構
細胞生物学:肝細胞を新たに作るには
構造生物学:複製準備OKのMCM複合体
宇宙論:宇宙のクモの巣構造の中の巨大円盤
核物理学:検証にかけられたCPT定理
合成:難しい合成を少し簡単に
集団遺伝学:数世代前はネアンデルタール人
細胞生物学:減数分裂をRNAiスクリーニングで調べる
細胞生物学:脂質代謝の肝臓による制御
生化学:新しいタンパク質品質管理機構