Nature ハイライト
構造生物学:GTPアーゼであるダイナミンの構造
Nature 525, 7569
酵素のダイナミンは高分子量GTPアーゼで、さまざまな細胞小器官で膜の形成や形状変更に関わっている。ダイナミンは、こうした作業を行うために多くの場合四量体を形成し、それらがさらにオリゴマーを編成してから、膜を引き絞ってくびり切る。今回S Eschenburgたちにより、ダイナミン四量体の結晶構造が示された。彼らは、この構造情報とさらなる解析を統合して、ダイナミン二量体間の界面を明らかにし、ダイナミンのオリゴマー形成が分子内の自己阻害的な相互作用の解除につながると考えられる反応機構を提案している。また、今回行われた変異解析は、筋力低下を伴う先天性ニューロパチーであるシャルコー・マリー・トゥース病や中心核ミオパチーの解明にも関係がある。
2015年9月17日号の Nature ハイライト
神経科学:シナプスへの光遺伝学的操作を使って記憶を追跡する
プロテオミクス:動物のタンパク質複合体の種をまたいだ解析
分子生物学:脊椎動物におけるDNA複製終結
光物理学:無損失のパリティ–時間対称性
材料科学:高Tc超伝導体の幾何学的形状
環境科学:大気汚染と若年死亡率の関連性
進化遺伝学:表現型可塑性が選択的進化に及ぼす影響
植物科学:植物で新しく見つかった防御分子
がん:グリタゾン系抗糖尿病薬による白血病の治療
分子生物学:細菌におけるDNA複製終結
構造生物学:GTPアーゼであるダイナミンの構造