Nature ハイライト
免疫学:微生物相は病気を促進する好中球を調節する
Nature 525, 7570
血液中で最も数の多い白血球種である好中球は短命な細胞で、自然免疫に重要な役割を担っている。しかし、活性化した好中球は炎症性サイトカインを分泌することによっていくつかの病気を助長することがある。細胞培養系中で老化した好中球は、遊走することが少なくなり、また機能が低下する。今回P Frenetteたちは、長い間循環中にあって老化した好中球は、炎症促進活性がより高くなっていること、また鎌状赤血球症のマウスモデルでは血管閉塞の一因となっていることを明らかにしている。好中球の老化はToll様受容体およびアダプター分子Myd88を介して微生物相によって調節されることも分かった。微生物相を除去すると、老化の表現型を持つ好中球の数とその炎症誘導活性が大きく低下する。
2015年9月24日号の Nature ハイライト
心臓生物学:FSTL1が心臓再生を後押しする
構造生物学:毒性のあるα-シヌクレインの構造
構造生物学:43S開始前複合体の詳細な構造
宇宙物理学:明るいサブミリ波銀河の形成モデル
量子物理学:中性子光学における軌道角運動量の制御
有機化学:アルカロイド合成を簡素化する
地球力学:地球で最も長い大陸ホットスポット軌跡
神経科学:育児行動の神経回路
発生生物学:細胞運命の転写後調節
免疫学:微生物相は病気を促進する好中球を調節する
がん:BET阻害剤に対する耐性の出現