Nature ハイライト
がん:BET阻害剤に対する耐性の出現
Nature 525, 7570
BET阻害剤は、BRD4などのブロモドメインを持つクロマチン読み取り因子を標的としており、がんの有力な治療法として検討されている。今週号の2報の論文で、白血病モデルでのBET阻害耐性に関わっている可能性のある機構が明らかにされた。M Dawsonたちは、MLL–AF9モデルで白血病幹細胞から耐性が生じ、その一因がWntシグナル伝達の亢進であることを明らかにした。J Zuberたちは、PRC2複合体の抑制が、MYCなどのBRD4標的遺伝子の転写調節の再編により、急性骨髄性白血病細胞にBET阻害剤耐性を付与することを見いだした。さらに、Wntシグナル伝達が耐性の主要なドライバーであることも示唆された。
2015年9月24日号の Nature ハイライト
心臓生物学:FSTL1が心臓再生を後押しする
構造生物学:毒性のあるα-シヌクレインの構造
構造生物学:43S開始前複合体の詳細な構造
宇宙物理学:明るいサブミリ波銀河の形成モデル
量子物理学:中性子光学における軌道角運動量の制御
有機化学:アルカロイド合成を簡素化する
地球力学:地球で最も長い大陸ホットスポット軌跡
神経科学:育児行動の神経回路
発生生物学:細胞運命の転写後調節
免疫学:微生物相は病気を促進する好中球を調節する
がん:BET阻害剤に対する耐性の出現