Nature ハイライト
地形学:氷河侵食に影響を及ぼす要因
Nature 526, 7571
氷河侵食は、地球の景観の形成に重要な役割を果たしているが、氷河侵食の長期的な影響を定量化するこれまでの試みは包括的なものであって、矛盾を含んでいることが示されている。極に近づくにつれて、気温が低くなって融解水の生成が抑えられるため、氷河のすべり、侵食、堆積物輸送が少なくなり、氷河侵食速度が低下すると予想される。今回、パタゴニアから南極半島までの温暖な温度レジームから極域氷河の温度レジームまでカバーする15か所の流出氷河で得られた、侵食データと速度データが報告されている。このデータセットから、過去100年間に流域平均の侵食速度が、この緯度トランセクトに沿って気候の関数として3桁変化していることが明らかになった。著者たちは、氷量、氷フラックス、すべり速度よりも、気候と氷河の温度レジームが侵食速度をより大きく支配していると提案している。
2015年10月1日号の Nature ハイライト
材料科学:マグネシウムの構造特性を高める方法
ゲノミクス:健康な状態と疾患におけるゲノムの多様性
材料科学:新しいトランジスター技術の実証
生物無機化学:ニトロゲナーゼの作用の化学合成モデル
地形学:氷河侵食に影響を及ぼす要因
ゲノム進化学:歯のエナメル質の起源を示す化石魚類からの手掛かり
ナノ生物工学:生体を模倣した新しいナノ送達システムプラットフォーム
ウイルス学:インフルエンザウイルスのエアロゾルによる伝播
幹細胞:骨髄幹細胞のマーカー
がん:腫瘍転移における幹細胞様細胞
微生物学:ウイルスの抗CRISPRタンパク質の特徴