Nature ハイライト
がん:腫瘍転移における幹細胞様細胞
Nature 526, 7571
転移の動態を理解することは、新たながん治療を開発する上で非常に重要である。転移細胞の性質を明らかにし、腫瘍細胞量との関連を示すために、Z Werbたちは単一細胞ゲノミクスの手法を用いて、複数の異なる乳がんモデルに由来する個々のヒト転移性乳がん細胞における細胞分化を調べた。彼らは、初期の転移細胞は基底系と間葉系の性質を示し、休眠腫瘍細胞のマーカーを持っているが、同時に多能性マーカーを発現していることを見いだした。対照的に、後期の転移細胞は、増殖性が高くなり、幹細胞性が減少して、分化マーカーを発現している。これらの違いにより、筆者たちはマウスモデルで抗増殖化合物によって後期転移細胞を標的とし、転移腫瘍細胞量を減らすことができた。
2015年10月1日号の Nature ハイライト
材料科学:マグネシウムの構造特性を高める方法
ゲノミクス:健康な状態と疾患におけるゲノムの多様性
材料科学:新しいトランジスター技術の実証
生物無機化学:ニトロゲナーゼの作用の化学合成モデル
地形学:氷河侵食に影響を及ぼす要因
ゲノム進化学:歯のエナメル質の起源を示す化石魚類からの手掛かり
ナノ生物工学:生体を模倣した新しいナノ送達システムプラットフォーム
ウイルス学:インフルエンザウイルスのエアロゾルによる伝播
幹細胞:骨髄幹細胞のマーカー
がん:腫瘍転移における幹細胞様細胞
微生物学:ウイルスの抗CRISPRタンパク質の特徴