Nature ハイライト
学習と記憶:学習と連関する雄特異的ニューロン
Nature 526, 7573
十分研究が進んでいる線形動物Caenorhabditis elegansの神経ネットワークは、網羅的な電子顕微鏡再構築を通して詳細にマッピングされている。しかし今回A Barriosたちは、MCM(mystery cells of the male)と名付けられたこれまで知られていなかった1対の両側性ニューロンを発見した。MCMは性成熟時のC. elegansでグリア細胞の分化転換によって雄特異的に生じ、走化性応答と生殖優先のバランスをとる雄特異型の連合学習に必須である。これらの知見は、性特異的ニューロンの付加が性成熟中の脳回路を再構築する効率的な方法である可能性を示している。著者たちは、グリアが高次の情報処理回路を構築するための神経前駆細胞となることは一般的であると考えられ、おそらくグリアが古くから持つ機能だろうと推測している。
2015年10月15日号の Nature ハイライト
進化生態学:中生代の哺乳類化石に保存された軟部組織
学習と記憶:学習と連関する雄特異的ニューロン
構造生物学:ヒトGLUT3の構造
構造生物学:フルクトース輸送体GLUT5の構造
核物理学:競合する二重ガンマ崩壊
量子情報:シリコンCNOT論理ゲート
気候科学:将来の南極の氷と海水準
社会進化学:他者の富が見えると協力行動が損なわれる
神経疾患:レット症候群での脳深部刺激
計算神経科学:小脳プルキンエ細胞の視覚への関与