Nature ハイライト
核物理学:競合する二重ガンマ崩壊
Nature 526, 7573
量子状態の崩壊の大半に光子1個の放出が関与しているが、ノーベル賞受賞者マリア・ゲッパート–メイヤーが75年以上前に最初に予言した過程では、2個の光子を放出するエキゾチックな崩壊が起こり得る。原子核における類似したエキゾチックな崩壊過程が二重ガンマ崩壊であり、通常の単一ガンマ崩壊が禁制である場合に観測されている。H Scheitたちは、優れた実験手法によって、単一ガンマ崩壊と競合する二重ガンマ崩壊を観測した。著者たちは、セシウム137の崩壊を通してバリウム137の第1励起状態を占有させ、光子放出を50日以上モニタリングし、そのデータに対する別の解釈を注意深く排除することで、競合する二重ガンマ崩壊を明確に測定できた。二重ガンマ崩壊速度が精密に測定にされたことで、他の方法では入手困難な核構造の情報が得られそうである。
2015年10月15日号の Nature ハイライト
進化生態学:中生代の哺乳類化石に保存された軟部組織
学習と記憶:学習と連関する雄特異的ニューロン
構造生物学:ヒトGLUT3の構造
構造生物学:フルクトース輸送体GLUT5の構造
核物理学:競合する二重ガンマ崩壊
量子情報:シリコンCNOT論理ゲート
気候科学:将来の南極の氷と海水準
社会進化学:他者の富が見えると協力行動が損なわれる
神経疾患:レット症候群での脳深部刺激
計算神経科学:小脳プルキンエ細胞の視覚への関与