Nature ハイライト
神経疾患:レット症候群での脳深部刺激
Nature 526, 7573
レット症候群は遺伝的疾患で、重度の知的障害をはじめ、さまざまな障害を引き起こす。今回H Zoghbiたちは、レット症候群のマウスモデルの海馬采–脳弓(海馬への入力を伝える領域)に2週間にわたって毎日脳深部刺激を加える実験を行った。処置終了から3週間後に調べたところ、海馬に依存した記憶が回復した。さらに、海馬の長期増強とニューロン新生も回復した。これらの知見は、パーキンソン病やジストニアといった運動障害を伴う病気の治療にすでに使われている脳深部刺激が、レット症候群などの小児の知的障害でも、認知障害を緩和するための実行可能な方法になり得ることを示している。
2015年10月15日号の Nature ハイライト
進化生態学:中生代の哺乳類化石に保存された軟部組織
学習と記憶:学習と連関する雄特異的ニューロン
構造生物学:ヒトGLUT3の構造
構造生物学:フルクトース輸送体GLUT5の構造
核物理学:競合する二重ガンマ崩壊
量子情報:シリコンCNOT論理ゲート
気候科学:将来の南極の氷と海水準
社会進化学:他者の富が見えると協力行動が損なわれる
神経疾患:レット症候群での脳深部刺激
計算神経科学:小脳プルキンエ細胞の視覚への関与