Nature ハイライト
微生物学:細菌のT6SS構造
Nature 531, 7592
細菌のVI型分泌系(T6SS)は基本的な収縮性分子装置で、尾部を押し出すのに必要な機械的エネルギーを蓄える収縮性の鞘に包み込まれた硬直な内管(尾部構造)を用いて、標的細胞に致死的毒素を直接注入する。最近の研究で、T6SSの収縮性の鞘の構造が明らかになっているが、その重合を制御して、内管の組み立てと統合する機構はよく分かっていない。今回、E Cascalesたちは、X線結晶解析法、電子顕微鏡法、微速蛍光顕微撮影法を組み合わせて用い、これまで機能が知られていなかったタンパク質TssAが、十二量体複合体を形成して管と鞘の構成要素と相互作用することで、尾部の管と鞘の両方の生合成をプライミングして統合させていることを示している。
2016年3月3日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:膵臓がんのゲノミクス
がんの代謝:肥満を促す食餌の代謝への影響
微生物学:細菌のT6SS構造
構造生物学:BAM複合体の構造を決定
高エネルギー宇宙物理学:宇宙線の質量組成
化学:電気的に駆動される酸化還元触媒反応
進化生物学:初期の脊椎動物の脳を見直す
再生医療:腸神経系の前駆細胞
がんの代謝:2種類のKras肺がん
ウイルス学:コロナウイルスのスパイクタンパク質の構造
構造生物学:翻訳開始因子2Bの構造