Nature ハイライト
化学:電気的に駆動される酸化還元触媒反応
Nature 531, 7592
理論的には、よく考えられがちな酸化還元反応だけでなく、多くの化学反応が、電場をかけることによって触媒される可能性があると示唆されている。今回、これを示す実験的証拠が、ディールス・アルダー反応における炭素–炭素結合形成の単一分子研究から得られた。電場が存在し、ジエノフィルからジエンへの電子の流れが有利になる方向を向いているときに、単一分子接合の形成頻度が5倍高くなることが、一連の走査型トンネル顕微鏡破断接合実験で観測された。電場によって化学反応を操作できることを実証した今回の実験は、新しい不均一触媒反応法の原理証明である。
2016年3月3日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:膵臓がんのゲノミクス
がんの代謝:肥満を促す食餌の代謝への影響
微生物学:細菌のT6SS構造
構造生物学:BAM複合体の構造を決定
高エネルギー宇宙物理学:宇宙線の質量組成
化学:電気的に駆動される酸化還元触媒反応
進化生物学:初期の脊椎動物の脳を見直す
再生医療:腸神経系の前駆細胞
がんの代謝:2種類のKras肺がん
ウイルス学:コロナウイルスのスパイクタンパク質の構造
構造生物学:翻訳開始因子2Bの構造