Nature ハイライト
生物海洋学:摂餌場に集まる海の捕食者たち
Nature 531, 7594
今回P Ratilalたちは、大西洋北西域にある海生哺乳類の重要な秋季摂餌場で受動的および能動的な海洋音響導波路リモートセンシングを併用し、10種を超える海生哺乳類の動きや分布と、それらの餌となる魚類の動きや分布を同時にマッピングした。ザトウクジラ、シロナガスクジラ、ナガスクジラ、ミンククジラなどの海生哺乳類種について、約10万km2の海域で、密集したニシンの大群にそれらの種が集まったときの発声が記録された。これらの海生哺乳類種は、重なり合う種特異的な摂餌場として海域を分け合い、その状態は2週間以上にわたって維持された。得られた海生生物の動態は、捕食者が巨大な魚群の中をどのように動くのかを明らかにし、捕食者の活動が昼と夜とでどう変化するのかを示している。今回の結果は、海生哺乳類の行動に関する理解を深め、保全活動に役立つ情報を提供するものである。
2016年3月17日号の Nature ハイライト
ナノスケール材料:半導体ナノワイヤーにおける結晶相の切り替わり
再生医療:細胞再生による視力回復
構造生物学:セルロース生合成のスナップショット
構造生物学:ムスカリン性アセチルコリン受容体M1およびM4の構造
気候科学:全球の気候システムに対する中国の影響
生物地球化学:サンゴに対する海洋酸性化の影響
生物海洋学:摂餌場に集まる海の捕食者たち
神経科学:経験が皮質の抑制を変える仕組み
ウイルス学:B型肝炎ウイルスに対する宿主の制限因子
発生生物学:piRNAによる生殖細胞の指定