Nature ハイライト

発生生物学:piRNAによる生殖細胞の指定

Nature 531, 7594

Piwiタンパク質とpiRNA(piwi-interacting RNA)からなる複合体は、生殖細胞で転位性遺伝因子の活性を抑制している。始原生殖細胞の形成を指定するメッセンジャーRNA(mRNA)と同じく、母系のPiwiリボ核タンパク質(piRNP)は卵母細胞の生殖質へ送られる。今回Z Mourelatosたちは、これらの母系mRNAが、Aubergine(Aub) Piwiタンパク質を含むpiRNPとmRNAの間の塩基対合による相互作用を介して、生殖質内に繋留される仕組みを明らかにした。特定のmRNAが優先的に繋留されるのは、長さがより長いことと関係しているようであり、それはpiRNP結合する可能性のある部位が多く提供されるためであろう。この研究は、トランスポゾン抑制における役割とは無関係な、生殖細胞の指定におけるpiRNAの新たな役割を明らかにするものである。

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