Nature ハイライト
ウイルス学:B型肝炎ウイルスに対する宿主の制限因子
Nature 531, 7594
B型肝炎ウイルスX(HBx)タンパク質の発現はウイルスDNAエピソームからの転写を促進することが知られている。M Strubinたちは今回、HBxが宿主細胞のユビキチン装置を乗っ取り、染色体の統合に広範にわたる役割を担っているSmc5/6複合体を標的として分解して、転写を促進することを明らかにした。Smc5/6複合体はウイルスゲノムに結合してその転写を阻害する制限因子として働いているらしい。この研究は、B型肝炎ウイルス感染に対する治療的介入のための新しい標的を示しており、また他のDNAウイルスもSmc5/6複合体による転写制限を受けている可能性を明らかにしている。
2016年3月17日号の Nature ハイライト
ナノスケール材料:半導体ナノワイヤーにおける結晶相の切り替わり
再生医療:細胞再生による視力回復
構造生物学:セルロース生合成のスナップショット
構造生物学:ムスカリン性アセチルコリン受容体M1およびM4の構造
気候科学:全球の気候システムに対する中国の影響
生物地球化学:サンゴに対する海洋酸性化の影響
生物海洋学:摂餌場に集まる海の捕食者たち
神経科学:経験が皮質の抑制を変える仕組み
ウイルス学:B型肝炎ウイルスに対する宿主の制限因子
発生生物学:piRNAによる生殖細胞の指定