Nature ハイライト

認知神経科学:リスク認識の神経相関

Nature 531, 7596

世の中には、リスクを避ける人とあえてリスクを選ぶ人とがおり、リスクを避ける人も時にリスクの高い選択をする場合がある。こうした変動の神経基盤は分かっていない。今回、K Deisserothたちはラットで、「意思決定」の際にドーパミンD2受容体(D2R)を発現する側坐核内の細胞の活動亢進は、以前の決定の「悪い」結果を反映しており、次の選択が安全なものになると予想されることを示した。この活動増大の規模の個体差は、リスク選好と相関していた。決定を下す際に人為的にD2Rニューロンの活動を上げると、リスク選好型ラットをリスク回避型ラットに転向させることもできた。これらの結果は、リスク選好の状態と形質の変動が、D2Rを発現する側坐核ニューロンによって制御されていることを示している。

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