Nature ハイライト
内分泌学:動物の行動を遠隔操作
Nature 531, 7596
今回、自由に動いている動物のニューロンを、電波や磁場を用いた遠隔操作によって活性化したり阻害したりできる新しい技術が報告された。J Friedmanたちは、熱感受性タンパク質に連結した鉄結合タンパク質を使って、マウスの視床下部腹内側核のニューロンを興奮させたり、抑制したりした。グルコース感受性ニューロンを活性化すると血漿グルコースが上昇し、グルカゴンが増加し、血漿インスリンが減少し、摂食行動が促進された。阻害すると血糖値が下がり、血漿インスリンが増加し、低血糖に対する反応が抑制された。この方法は、基礎研究において細胞の活動を遠隔操作できるだけでなく、侵襲を最小限に抑えた、脳深部刺激に代わる治療法になる可能性がある。
2016年3月31日号の Nature ハイライト
細胞生物学:細胞内タンパク質の分解の制御
構造生物学:プロモーターに結合したTFIIDの構造
固体地球科学:潮汐を捉えることのできる、ドローンに搭載可能な重力計
光物性:双極子–双極子相互作用
認知神経科学:リスク認識の神経相関
内分泌学:動物の行動を遠隔操作
がん免疫療法:T細胞の抗腫瘍活性を増強する
細胞生物学:一次繊毛は本当にメカノセンサーか
細胞生物学:アレスチンの挙動とGPCRの機能