Nature ハイライト

地球物理学:海洋リソスフェアの端成分

Nature 535, 7611

今回V SchlindweinとF Schmidは、390 kmに及ぶ超低速拡大海嶺軸に沿った詳細な地震調査結果を用いて、海洋リソスフェアの2種の端成分の構造と集積モードを詳しく記述している。彼らは、非マグマ的部分ではリソスフェア上部15 km内に浅部地震活動がないが、深さ35 kmまでに発生する地震が非常に多いことを見いだしている。このことは、上部に非地震帯がある冷たく厚いリソスフェアの存在を示している。著者たちは、こうしたリソスフェアが生じたのはおそらくかなりの量が蛇紋岩化したためであると説明している。さらに彼らは、マグマ的リソスフェアの領域は火山中心の下で劇的に薄くなっていることも見いだしており、その結果生じたリソスフェア–アセノスフェア境界の形態によって、軸に沿ったメルトの流れが可能となり、超低速拡大海嶺における不均等な地殻生成が説明されると推測している。

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