Nature ハイライト
細胞生物学:Ki-67タンパク質の界面活性作用
Nature 535, 7611
染色体は有糸分裂過程による分割に備え、再編成を経て複数の構造体に分離する。D Gerlichたちは今回、RNAiスクリーニングによって、細胞増殖マーカーとして知られ、がんの診断に用いられているKi-67タンパク質がこの過程に関わっていることを実証した。Ki-67は、核膜の分解後に生物学的界面活性剤として働き、染色体が崩れてひとかたまりになるのを防ぐ。実際、このタンパク質が持つ生物物理学的特性の多くが界面活性剤のそれと一致している。Ki-67が染色体分離が確実に起こるのを助けるのはこのような特性によるもので、このタンパク質の特定の領域を介してではないらしい。
2016年7月14日号の Nature ハイライト
気候変動生態学:変化しつつある生物学的季節
創薬:新薬開発につながる抗腫瘍標的
惑星科学:原始星のスノーラインの直接撮像
量子計測学:シュレーディンガーの猫型の状態を使った計測
地球物理学:海洋リソスフェアの端成分
神経発生学:チョウはカラフルな世界を見る
発生生物学:哺乳類の原腸形成における単一細胞解析
幹細胞:造血幹細胞における骨髄細胞系譜の選択
分子生物学:アテローム性動脈硬化と脂肪性肝炎をダブルで防ぐ
細胞生物学:Ki-67タンパク質の界面活性作用