Nature ハイライト

細胞生物学:Ki-67タンパク質の界面活性作用

Nature 535, 7611

染色体は有糸分裂過程による分割に備え、再編成を経て複数の構造体に分離する。D Gerlichたちは今回、RNAiスクリーニングによって、細胞増殖マーカーとして知られ、がんの診断に用いられているKi-67タンパク質がこの過程に関わっていることを実証した。Ki-67は、核膜の分解後に生物学的界面活性剤として働き、染色体が崩れてひとかたまりになるのを防ぐ。実際、このタンパク質が持つ生物物理学的特性の多くが界面活性剤のそれと一致している。Ki-67が染色体分離が確実に起こるのを助けるのはこのような特性によるもので、このタンパク質の特定の領域を介してではないらしい。

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