Nature ハイライト
発生生物学:発生中の多能性幹細胞における種ごとの違い
Nature 537, 7618
今回、斎藤通紀(京都大学)たちは、サル胚に単一細胞RNA発現解析法を用いて、このサル種の初期発生中の遺伝子発現を解析し、マウスおよびヒトの初期胚での遺伝子発現と比較することで、哺乳類における多能性の個体発生過程での特徴を種横断的に明らかにした。意外なことに、ニューロン分化過程にあるサル細胞は、原腸形成期にも多能性関連遺伝子群を発現し続けていた。この解析結果は、主要な動物種における発生段階ごとの多能性幹細胞の相対的な特徴を知るための手掛かりとなり、in vitroでのヒト多能性の調節を向上させる基盤の確立に役に立つだろう。
2016年9月1日号の Nature ハイライト
環境科学:アメリカ大陸への人類移動は海沿いの経路で
発生生物学:発生中の多能性幹細胞における種ごとの違い
がん:低酸素状態による遺伝子抑制
惑星科学:ロゼッタが一掃きした彗星の塵
量子光学:除外点から生じるエキゾチックな成果
気候科学:南極の氷が海洋を淡水化する
生態学:種の共存の根源
神経科学:セロトニンは不安と恐怖学習を引き起こす
がん:進行乳がんに見られる2つの細胞集団
構造生物学:カルシウムチャネル遮断薬の構造