Nature ハイライト
生態学:種の共存の根源
Nature 537, 7618
生態系内で限定されている資源が複数あると、種間のトレードオフが可能となって種共存の可能性を高めることが、理論によって示唆されている。今回W Harpoleたちは、この理論について、全球規模で展開された栄養素添加実験である「Nutrient Network」共同研究のデータを用い、植物群落を対象として検証を行った。複数の大陸の45の草原で実施された複数年にわたる栄養素添加実験のデータを集約して解析した結果、添加した栄養素の数が増えると植物種の多様性が低下することが分かった。これらの知見は、地中の資源をめぐる競争が植物種の多様性を高めていることを示唆している。
2016年9月1日号の Nature ハイライト
環境科学:アメリカ大陸への人類移動は海沿いの経路で
発生生物学:発生中の多能性幹細胞における種ごとの違い
がん:低酸素状態による遺伝子抑制
惑星科学:ロゼッタが一掃きした彗星の塵
量子光学:除外点から生じるエキゾチックな成果
気候科学:南極の氷が海洋を淡水化する
生態学:種の共存の根源
神経科学:セロトニンは不安と恐怖学習を引き起こす
がん:進行乳がんに見られる2つの細胞集団
構造生物学:カルシウムチャネル遮断薬の構造