Nature ハイライト
がん:進行乳がんに見られる2つの細胞集団
Nature 537, 7618
進行したエストロゲン受容体陽性/HER2陰性乳がんの患者の循環腫瘍細胞の特徴が明らかになり、それらの循環腫瘍細胞は2つの異なる状態間を相互転換できることが分かった。HER2を発現するようになった細胞亜集団は、複数のRTKシグナル伝達経路の活性化を示し、増殖能が高い。もう1つの細胞亜集団はHER2を発現しないが、Notch1レベルが上昇している。このHER2陰性集団は増殖性が低く、細胞毒性薬に強い耐性を示すが、Notch1阻害剤に感受性である。増殖性循環腫瘍細胞亜集団と薬剤耐性循環腫瘍細胞亜集団間で迅速な相互転換が見られることから、同時併用療法に臨床的価値がある可能性が示唆される。
2016年9月1日号の Nature ハイライト
環境科学:アメリカ大陸への人類移動は海沿いの経路で
発生生物学:発生中の多能性幹細胞における種ごとの違い
がん:低酸素状態による遺伝子抑制
惑星科学:ロゼッタが一掃きした彗星の塵
量子光学:除外点から生じるエキゾチックな成果
気候科学:南極の氷が海洋を淡水化する
生態学:種の共存の根源
神経科学:セロトニンは不安と恐怖学習を引き起こす
がん:進行乳がんに見られる2つの細胞集団
構造生物学:カルシウムチャネル遮断薬の構造