Nature ハイライト

神経科学:セロトニンは不安と恐怖学習を引き起こす

Nature 537, 7618

セロトニンが気分を調節する神経回路についてはまだよく分かっていない。今回T Kashたちは、マウスでセロトニンが不安様状態をもたらす機構を報告している。それによると、背側縫線核から分界条床核(BNST;自律神経・神経内分泌・行動応答の制御に関わる前脳構造)へのセロトニン作動性投射は、コルチコトロピン放出因子(CRF)ニューロンを活性化して、BNSTから腹側被蓋野と外側視床下部への抗不安出力を抑制する。さらに、この回路は、セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であるフルオキセチンの急性投与で誘発される不安様行動も仲介することも分かった。不安障害患者の一部で起こることが示されているSSRI治療に対する初期の有害反応も、同様の機構が基盤にあるのかもしれない。

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