Nature ハイライト
量子光学:除外点から生じるエキゾチックな成果
Nature 537, 7618
利得モードと損失モードを持つ物理系では、そうしたモードが合体したいわゆる除外点で特異な挙動が生じる可能性がある。光学系に関する過去の研究では、除外点を利用して、一方向光透過やレーザー発振の抑制と回復などの効果が実現されている。さらに、パラメーター空間において除外点の周りをゆっくり回ることによって2状態間の非相反遷移が生じることが予測されている。今回、この興味深い基本的効果が、2つの独立したチームによって実験的に実証された。J Harrisたちは、オプトメカニカル共振器において2つの振動モード間のエネルギー移動を観測し、S Rotterたちは、マイクロ波伝送路において非対称モードスイッチングの測定を行っている。これらの研究は、除外点付近の物理現象の実験的探索や基礎的探索への道を開くものである。
2016年9月1日号の Nature ハイライト
環境科学:アメリカ大陸への人類移動は海沿いの経路で
発生生物学:発生中の多能性幹細胞における種ごとの違い
がん:低酸素状態による遺伝子抑制
惑星科学:ロゼッタが一掃きした彗星の塵
量子光学:除外点から生じるエキゾチックな成果
気候科学:南極の氷が海洋を淡水化する
生態学:種の共存の根源
神経科学:セロトニンは不安と恐怖学習を引き起こす
がん:進行乳がんに見られる2つの細胞集団
構造生物学:カルシウムチャネル遮断薬の構造