Nature ハイライト
構造生物学:分岐したスプライシング複合体の構造
Nature 537, 7619
RNAからのイントロンの除去は協調的に進行する過程ではなく、スプライソソームによる2つのエステル交換反応が関わる順序立った過程である。第1段階では5′スプライス部位が切断され、イントロンの端がラリアット(投げ縄)構造を形成するように結合する。長井潔(英国MRC分子生物学研究所)たちは今回、低温電子顕微鏡単粒子再構成の手法を使って、この1番目のエステル交換(分岐)反応直後で停止した出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)スプライソソームの、全体分解能3.8 Åでの構造を捉えた。複合体内のRNAの立体構造は、2番目の過程であるエキソン連結反応に先立って構造の改変が起こることを示唆している。
2016年9月8日号の Nature ハイライト
材料科学:液体の動きを光で操作
創薬:痛みを標的とするデザイナーオピオイド
構造生物学:ニア原子分解能で得られた真核生物Cavチャネルの構造
構造生物学:分岐したスプライシング複合体の構造
構造生物学:タンパク質をまとわせてトラブルを回避するシャペロン
宇宙物理学:オリオン・バー分子雲の観測
ナノ科学:個々のナノチューブを通る水流
進化生物学:指と鰭条の発生に関わるHox遺伝子群
創薬:新しい薬剤が狙い撃つ3つの熱帯病
免疫学:胚中心での酸素制限