Nature ハイライト
構造生物学:タンパク質をまとわせてトラブルを回避するシャペロン
Nature 537, 7619
分子シャペロンは細胞内に広く存在し、プロテオーム機能の維持に不可欠な働きをするタンパク質で、対象となるタンパク質の折りたたみを加速したり遅らせたりすることにより、タンパク質の不適切な折りたたみ、凝集、未成熟なままでの折りたたみを防いでいるが、その作用機構はほとんど解明されていない。今回C Kalodimosたちが、強い抗折りたたみ活性を持つ分子シャペロンSecBについて、2種類の対象タンパク質と複合体を形成し、これらを折りたたまれないままで保持している状態の溶液構造を明らかにした。これらの構造から、非天然状態にある対象タンパク質の複数の領域が、SecBの表面にある長い連続した疎水性の溝を認識し、SecBの周りに巻き付くことが分かった。
2016年9月8日号の Nature ハイライト
材料科学:液体の動きを光で操作
創薬:痛みを標的とするデザイナーオピオイド
構造生物学:ニア原子分解能で得られた真核生物Cavチャネルの構造
構造生物学:分岐したスプライシング複合体の構造
構造生物学:タンパク質をまとわせてトラブルを回避するシャペロン
宇宙物理学:オリオン・バー分子雲の観測
ナノ科学:個々のナノチューブを通る水流
進化生物学:指と鰭条の発生に関わるHox遺伝子群
創薬:新しい薬剤が狙い撃つ3つの熱帯病
免疫学:胚中心での酸素制限