Nature ハイライト
免疫学:抗腫瘍防御に対する細胞死の影響
Nature 537, 7621
腫瘍における細胞死は予後不良と関連していることが多く、こうした関連現象はこれまで、資源の限られた環境内で急速に分裂するがん細胞が原因であると考えられてきた。今回R Eilたちは、腫瘍内細胞死が実際には抗腫瘍免疫の抑制に能動的な役割を果たしていることを明らかにしている。腫瘍間質液中の細胞外カリウム濃度が上昇すると、ヒトとマウスのT細胞でT細胞受容体によって誘導される抗腫瘍機能が阻害されることが分かった。また、腫瘍特異的T細胞で排出輸送体のKcna3を過剰発現させてカリウムを細胞外に排出できるようにしてやると、この免疫抑制を無効にできることも示された。
2016年9月22日号の Nature ハイライト
古生物学:猿人「ルーシー」は墜落死した?
ゲノミクス:胚の表現型と致死遺伝子
音響学:プレート上の音響ホログラム
材料学:デザイナーマルチフェロイクス
地質学:太古の地球に存在した生命の証
免疫学:抗腫瘍防御に対する細胞死の影響
発生生物学:胚発生におけるクロマチン状態
植物科学:フォトトロピンは光合成調節に関わっている
構造生物学:グルタミン酸受容体の脱感作状態