Nature ハイライト
植物科学:フォトトロピンは光合成調節に関わっている
Nature 537, 7621
過剰な光は植物や藻類の光合成系を壊滅させることがあり、細胞に損傷を引き起こし、さらには細胞死にまでつながりかねない。そのため、植物はこうした光の過負荷を防止するような系を発達させてきた。G Finazziたちは今回、緑藻のChlamydomonas reinhardtiiで青色光受容体であるフォトトロピン(PHOT)が、光強度が十分に高い場合にLHCSR3(light-harvesting complex stress-related protein 3)の発現を誘導することを明らかにした。こうした応答は、光化学系IIにおける過剰な光の散逸を引き起こす。PHOT活性が無いと緑藻の適応度は大幅に損なわれる。
2016年9月22日号の Nature ハイライト
古生物学:猿人「ルーシー」は墜落死した?
ゲノミクス:胚の表現型と致死遺伝子
音響学:プレート上の音響ホログラム
材料学:デザイナーマルチフェロイクス
地質学:太古の地球に存在した生命の証
免疫学:抗腫瘍防御に対する細胞死の影響
発生生物学:胚発生におけるクロマチン状態
植物科学:フォトトロピンは光合成調節に関わっている
構造生物学:グルタミン酸受容体の脱感作状態