Nature ハイライト
材料学:撓電性を増強する
Nature 538, 7624
撓電性は、ひずみ勾配によって自発的に電気分極が生じる現象であり、この効果が通常のように非常に小さくなければ極めて有用となる。これまで撓電性は、主に誘電体の特性として研究されてきた。今回G Catalanたちは、この効果が大きく増強される可能性のある環境である半導体に、撓電性に似た効果が存在することを実証している。著者たちは、物質の界面層を非常に薄いキャパシターと見なした場合に、電荷が自由に動ければ、このキャパシター構造の有効分極率を増幅できると考えた。彼らは、酸素空孔をドープして伝導率を高くしたチタン酸バリウムにこの概念を適用して、有効撓電性が数桁高くなることを示した。撓電応答を増強するこの方法は、撓電性を用いたセンサーなどに実用化できる可能性がある。
2016年10月13日号の Nature ハイライト
材料学:撓電性を増強する
地形学:峡谷を形成した決壊洪水
人類学:相手の命を奪うヒトの暴力性の系統発生学的ルーツ
遺伝学:韓国人のゲノム
心血管疾患:出生時の体重と病気のリスクの関連
神経科学:摂食行動に影響を及ぼすコリン作動性シグナル伝達
老化:ヒトの寿命の自然な限界
がんゲノミクス:成体幹細胞に蓄積した変異
病態学:遺伝子重複とクロマチン構成
RNA代謝:RNA切断酵素C2c2