Nature ハイライト
病態学:遺伝子重複とクロマチン構成
Nature 538, 7624
SOX9は発生に関与する転写因子で、軟骨細胞の分化や雄の性決定で機能を果たしており、SOX9座位のゲノム重複はさまざまなヒト疾患に関連している。S Mundlosたちは今回、染色体のコンホメーション捕捉技術を用いて、そのような重複がマウスのSox9座位の周辺のトポロジカル関連ドメイン(TAD)と呼ばれるクロマチンを仕切る単位に与える影響を調べた。TADは安定したゲノム調節単位であるが、ゲノムの構造的変動により再編成されて、新しいクロマチン調節ドメインを作り出す可能性があることが分かった。重複は一般に遺伝子量を増加させることにより表現型に影響を与えるようになると考えられているが、これらの結果は重複が高次クロマチン構造にも影響を及ぼす仕組みを示している。
2016年10月13日号の Nature ハイライト
材料学:撓電性を増強する
地形学:峡谷を形成した決壊洪水
人類学:相手の命を奪うヒトの暴力性の系統発生学的ルーツ
遺伝学:韓国人のゲノム
心血管疾患:出生時の体重と病気のリスクの関連
神経科学:摂食行動に影響を及ぼすコリン作動性シグナル伝達
老化:ヒトの寿命の自然な限界
がんゲノミクス:成体幹細胞に蓄積した変異
病態学:遺伝子重複とクロマチン構成
RNA代謝:RNA切断酵素C2c2