Nature ハイライト
がんゲノミクス:成体幹細胞に蓄積した変異
Nature 538, 7624
ヒト成体幹細胞に一生の間に蓄積する変異は、がんのリスク増加と関連付けられてきた。しかし、このような細胞での実際の変異発生速度やパターンについては、今のところ分かっていない。今回E Cuppenたちは、3〜87歳のドナーから得られた初代多能性細胞に由来するクローンのオルガノイドを培養し、そのDNA塩基配列を解読した。がんの発生率に違いがあることが知られている複数の組織について見ると、変異はいずれもほぼ同じ速度(1年当たり約40の新規変異)で蓄積していくことが分かった。しかし、肝臓と、大腸や小腸とでは、異なる組織特異的な変異スペクトルが観察されることも明らかになった。
2016年10月13日号の Nature ハイライト
材料学:撓電性を増強する
地形学:峡谷を形成した決壊洪水
人類学:相手の命を奪うヒトの暴力性の系統発生学的ルーツ
遺伝学:韓国人のゲノム
心血管疾患:出生時の体重と病気のリスクの関連
神経科学:摂食行動に影響を及ぼすコリン作動性シグナル伝達
老化:ヒトの寿命の自然な限界
がんゲノミクス:成体幹細胞に蓄積した変異
病態学:遺伝子重複とクロマチン構成
RNA代謝:RNA切断酵素C2c2