Nature ハイライト
老化:ヒトの寿命の自然な限界
Nature 538, 7624
「ヒトは長生きするようになった」とよく聞く。高齢期の死亡率も幾分低下しているという最近の証拠もあるが、実際のところ、これまでの平均余命の延びの多くは幼少期の死亡率の低下によるものである。J Vijgたちは今回、ヒトの寿命には根本的な限界が存在するのか、という厄介な問題に取り組んでいる。平均余命および死亡時に報告された年齢の最高値に関する人口統計学的解析の結果は、ヒトの寿命には「自然の限界」が存在するという考えを裏付けるものだった。加齢に伴う生存の改善は、100歳を超えると低下する傾向があり、世界最高齢者の死亡時年齢は1990年代から上昇していない。
2016年10月13日号の Nature ハイライト
材料学:撓電性を増強する
地形学:峡谷を形成した決壊洪水
人類学:相手の命を奪うヒトの暴力性の系統発生学的ルーツ
遺伝学:韓国人のゲノム
心血管疾患:出生時の体重と病気のリスクの関連
神経科学:摂食行動に影響を及ぼすコリン作動性シグナル伝達
老化:ヒトの寿命の自然な限界
がんゲノミクス:成体幹細胞に蓄積した変異
病態学:遺伝子重複とクロマチン構成
RNA代謝:RNA切断酵素C2c2