Nature ハイライト
構造生物学:Slo1カリウムチャネルの構造と活性
Nature 541, 7635
Slo1/BKチャネルでは電位とカルシウムイオン(Ca2+)による二重の活性化が行われている。そのため、このチャネルは膜の電気的興奮性と細胞内カルシウムシグナル伝達を連結する過程、例えば筋収縮や神経細胞の情報伝達のような過程に必須となっている。R MacKinnonたちは今回、相補的な2つの論文で、Ca2+の存在下と非存在下での完全長Slo1チャネルの構造を示し、電位センサーがチャネル小孔を直接調節するのではなく、Ca2+センサーを調節するという異例なアロステリック機構が考えられるとしている。今回の知見は、基礎研究や臨床研究から得られた生化学的、遺伝学的、また生理学的な大量のデータを説明するものである。
2017年1月5日号の Nature ハイライト
がん:口腔がんにおける転移開始細胞
構造生物学:Slo1カリウムチャネルの構造と活性
光物理学:二次元半導体における点滅
化学:担持触媒における水素スピルオーバー
肥満:体脂肪と糖尿病リスク
神経変性:XRCC1変異と結び付けられた小脳性運動失調症
植物科学:イネのリン利用を操作する
免疫学:肺線維症を誘導する免疫細胞の種類
老化:スプライシング因子1の過剰発現は寿命を延長させる
発生生物学:単一細胞レベルで細胞系譜をたどる
ウイルス学:結合したFluAポリメラーゼの構造を解明