Nature ハイライト
老化:スプライシング因子1の過剰発現は寿命を延長させる
Nature 541, 7635
タンパク質恒常性の破綻や転写のエラー率の上昇は、さまざまな慢性疾患の重要なリスク因子であり、老化と関係している。W Mairたちは今回、mRNA前駆体のスプライシングの恒常性が線虫の一種Caenorhabditis elegansの平均余命のバイオマーカーかつ予測因子であり、老化に伴う広範なmRNA前駆体スプライシングの異常が、食餌制限によってスプライシング因子1(SFA-1)を介して緩和されることを示した。食餌制限による寿命の延長と、TORC1経路の構成因子の調節による寿命の延長に、SFA-1は特異的に必要である。SFA-1の過剰発現は寿命の延長に十分であった。この研究成果は、スプライソソームの特定の構成因子を調節することで、健康な老化を促進し得ることを示唆している。
2017年1月5日号の Nature ハイライト
がん:口腔がんにおける転移開始細胞
構造生物学:Slo1カリウムチャネルの構造と活性
光物理学:二次元半導体における点滅
化学:担持触媒における水素スピルオーバー
肥満:体脂肪と糖尿病リスク
神経変性:XRCC1変異と結び付けられた小脳性運動失調症
植物科学:イネのリン利用を操作する
免疫学:肺線維症を誘導する免疫細胞の種類
老化:スプライシング因子1の過剰発現は寿命を延長させる
発生生物学:単一細胞レベルで細胞系譜をたどる
ウイルス学:結合したFluAポリメラーゼの構造を解明