Nature ハイライト
ウイルス学:結合したFluAポリメラーゼの構造を解明
Nature 541, 7635
インフルエンザウイルスの複製にはウイルスの転写と細胞の転写の緊密な共役が必要で、これはインフルエンザウイルスポリメラーゼが転写を開始する前にPol IIの新生転写産物の5′キャップ構造に結合できるようにするためである。今回S Cusackたちは、Pol IIのC末端ドメインペプチドを模倣したペプチドに結合させたコウモリA型インフルエンザウイルス(FluA)のポリメラーゼの結晶構造を明らかにした。この構造から、2つのポリメラーゼの結合の仕方が判明し、結合部位が抗ウイルス薬開発の標的になる可能性が示唆された。
2017年1月5日号の Nature ハイライト
がん:口腔がんにおける転移開始細胞
構造生物学:Slo1カリウムチャネルの構造と活性
光物理学:二次元半導体における点滅
化学:担持触媒における水素スピルオーバー
肥満:体脂肪と糖尿病リスク
神経変性:XRCC1変異と結び付けられた小脳性運動失調症
植物科学:イネのリン利用を操作する
免疫学:肺線維症を誘導する免疫細胞の種類
老化:スプライシング因子1の過剰発現は寿命を延長させる
発生生物学:単一細胞レベルで細胞系譜をたどる
ウイルス学:結合したFluAポリメラーゼの構造を解明